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脳の中での処罰

Nature Neuroscience

2014年8月4日

Punishment in the brain

Nature Neuroscience

意図的な有害行為の生々しい表現は、脳の情動処理に関わる扁桃体における活動を活発にし、意思決定に関わる外側前頭前野と扁桃体との接続を強める。今週号に発表されるこの発見は、有害な行為に対し適切な処罰の重さを判断する際、情動的な反応と意図的な意思決定とを結び付ける仕組みを明らかにしている。

処罰の決定には2つの要素が影響する。直感的な情動反応と、知的な評価である。これまでの研究では、処罰の決定はその行為が目的のはっきりしたものと受け止められるかそうでないかによって変化すると報告されているが、これについての神経学的背景は知られていなかった。

Michael Treadwayたちは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用い、財産の損害や死のような有害な筋書きに偶然または意図して関わった人にどの程度の処罰を与えるかを決断する人々の脳活動を追跡した。これらの筋書きのうち半分は客観的に表現され、残りの半分は生々しく表現された。

Treadwayたちは、生き生きと描写された筋書きに対しては処罰の程度が高くなるが、これは意図的な有害行為の場合にのみ見られることを発見した。この場合、被験者の扁桃体ではfMRI活性が高くなり、同様に扁桃体と背側外側前頭前野との接続活性も高くなっていた。対照的に、意図しない有害行動に対してはゆるい処罰を割り当てた。この場合、扁桃体と背側前側帯状回皮質(他人の精神状態の解明に関わる)との接続が活発になったとTreadwayたちは報告している。今回発見された2通りの接続パターンは処罰の決定に対する情動要因を説明し、時に厳しい処罰が下される理由を明らかにするものかもしれないとTreadwayたちは示唆している。

doi: 10.1038/nn.3781

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