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コイの概要ゲノム配列

Nature Genetics

2014年9月22日

The genome of the common carp

Nature Genetics

コイ(Cyprinus carpio)のゲノム塩基配列が解読された。野生系統と養殖系統の相違点の遺伝的基盤を明らかにするうえで重要な成果である。

コイ科の魚は、養殖魚の代表例だ。コイの生産量は、年間300万トンを超えており、世界の淡水養殖魚生産量の最大10%を占めている。また、ニシキゴイなどの一部の品種は、屋外庭園や水槽で飼育され、装飾目的に利用されている。コイは品種によって、体色、うろこの模様や体の大きさなどの形質が非常に多様化しているのである。

今回、X Sunたちは、4集団の野生系統と6つの養殖系統に由来する合計33匹のコイのゲノムの配列解読を行った。そのうち、2つの一般的な養殖系統(HebaoとSongpu)の間では、894個の遺伝子で発現レベルに差が見られた。それらの遺伝子の多くは、うろこの発生と色素沈着に関係している。例えば、slc7a11遺伝子は、茶色の色素を黄色や赤色の色素に転換する役割を持っている。今回解読されたゲノム配列は、経済的に重要な形質に関する情報をもたらしており、養殖者が養殖コイの遺伝的改良を行ううえでも役に立つだろう。

doi: 10.1038/ng.3098

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