Nature ハイライト

Cover Story:複合体の構造予測:AlphaFold3でタンパク質と分子の相互作用の予測が可能に

Nature 630, 8016

AlphaFold3により予測した、中和抗体46C12のFabと複合体を形成したコロナウイルスOC43のスパイクタンパク質の構造。
AlphaFold3により予測した、中和抗体46C12のFabと複合体を形成したコロナウイルスOC43のスパイクタンパク質の構造。 | 拡大する

Google DeepMind

2018年に最初に発表されたAIツールのAlphaFoldと、2021年に発表されたそのアップデート版であるAlphaFold2は生物学に大変革をもたらし、研究者がタンパク質の三次元(3D)構造を予測し、モデル化できるようになった。今週号では、Googleディープマインド社のチームとIsomorphic Labs社のチームが、その最新版であるAlphaFold3について報告している。AlphaFold3では、AlphaFold2の深層学習アーキテクチャーにかなりの改良が加えられ、イオン、小分子、RNAやDNAのような核酸など、他の生体分子と相互作用しているタンパク質について、正確なモデルを作出することが可能になった。研究チームは、新しいモデルのAlphaFold3はタンパク質構造データバンク(PDB)に保存されているほぼ全てのタイプの生体分子にわたって、複合体の構造を予測できると述べている。開発チームの研究者たちは、相互作用をモデル化できるAlphaFold3の能力は、生物学的過程の理解を促進し、また薬剤開発の助けにもなるだろうと考えている。

2024年6月13日号の Nature ハイライト

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