Nature ハイライト

Cover Story:巨石の移動:ストーンヘンジの祭壇石のスコットランド起源から示唆される新石器時代ブリテンの社会組織

Nature 632, 8025

ストーンヘンジの祭壇石。2つのサーセン石の下敷きになっている。
ストーンヘンジの祭壇石。2つのサーセン石の下敷きになっている。 | 拡大する

Professor Nick Pearce, Aberystwyth University

ストーンヘンジの歴史には多くの疑問があるが、とりわけ、全ての石がどこから来たのか、そしてどのようにしてそこに運ばれたのかという謎がある。この新石器時代の構造物は、主に2種類の石から構成されている。1つは、マールボロ近郊から約25 km離れた場所に由来するサーセン石、もう1つは、ウェールズに由来するブルーストーンである。しかし、この遺跡にあるブルーストーンの中で最大のものは重さ6トンの祭壇石だが、これだけは例外で、ウェールズ由来でないことが示されている。今回A Clarkeたちは、この祭壇石が、はるばるスコットランドからおよそ750 kmもの距離を移動してきた可能性が高いことを明らかにしている。彼らは祭壇石の2つの破片を分析し、スコットランド北東部のオルカディアン盆地の旧赤色砂岩との顕著な類似性を発見した。研究チームは、この巨石が海路で運ばれた可能性があると提案しており、これは、新石器時代のブリテンには相当なレベルの社会組織が存在していたことを示唆している。

2024年8月15日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度