Nature ハイライト
Cover Story:巨石の移動:ストーンヘンジの祭壇石のスコットランド起源から示唆される新石器時代ブリテンの社会組織
Nature 632, 8025
ストーンヘンジの歴史には多くの疑問があるが、とりわけ、全ての石がどこから来たのか、そしてどのようにしてそこに運ばれたのかという謎がある。この新石器時代の構造物は、主に2種類の石から構成されている。1つは、マールボロ近郊から約25 km離れた場所に由来するサーセン石、もう1つは、ウェールズに由来するブルーストーンである。しかし、この遺跡にあるブルーストーンの中で最大のものは重さ6トンの祭壇石だが、これだけは例外で、ウェールズ由来でないことが示されている。今回A Clarkeたちは、この祭壇石が、はるばるスコットランドからおよそ750 kmもの距離を移動してきた可能性が高いことを明らかにしている。彼らは祭壇石の2つの破片を分析し、スコットランド北東部のオルカディアン盆地の旧赤色砂岩との顕著な類似性を発見した。研究チームは、この巨石が海路で運ばれた可能性があると提案しており、これは、新石器時代のブリテンには相当なレベルの社会組織が存在していたことを示唆している。
2024年8月15日号の Nature ハイライト
天文学:4億6000万歳の原始的な球状星団の観測
量子ホール物理学:分数量子ホールエニオンのスケーリング次元
トポロジカルフォトニクス:オンチップ広帯域THzトポロジカルビームフォーマー
熱電学:マルチヘテロ接合による熱電性能の向上
太陽電池:分子ハイブリッドを用いた高効率ペロブスカイト太陽電池
化学合成:単一前駆体からさまざまなタキサン類を合成する方法
有機化学:類似または同一原子間の単結合の正味のヘテロリシス
気候科学:人為起源の反応性窒素の全球の気候に対する効果
地球化学:ファグラダルスフィヤル火山噴火の地球化学的性質
植物科学:トウモロコシの草冠を最適化する
神経科学:アバターラットで行動制御を予測する
ウイルス学:西部ウマ脳炎ウイルス沈静化の基盤
免疫学:SARS-CoV-2とMIS-Cの免疫的なつながり
免疫学:上気道バリア組織における免疫記憶の新たな理解
免疫学:経鼻ワクチンによって誘導される抗原特異的IgA分泌細胞の起源
細胞生物学:密着結合帯形成に関わるウェッティング現象
分子生物学:腫瘍悪性化に関与するリボソームタンパク質修飾
細胞生物学:膜マイクロドメインのクライオ電子顕微鏡構造
構造生物学:ヒトのドーパミン輸送体の構造が初めて解かれる