Nature ハイライト
Cover Story:アホロートルのゲノム:サンショウウオの塩基配列が発生と再生に光を当てる
Nature 554, 7690
今回E TanakaとE Myersたちは、発生、再生、進化の研究のモデル動物であるメキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum;別名アホロートル)のゲノムについて報告している。彼らは、ロングリード塩基配列解読、光学マッピング、MARVELと呼ばれる新しいコンピューターアルゴリズムを組み合わせて用いることで、多くの長い反復領域を特徴とするこの巨大で複雑なゲノムの塩基配列解読とアセンブリーという課題を克服した。著者たちは、このゲノムには約2万3000のタンパク質コード遺伝子が含まれていると見積もっており、多くの動物の発生に不可欠なPax3遺伝子が存在しないことに注目している。関連遺伝子Pax7の遺伝子編集によって、Pax3の不在で欠いたいくつかの機能をPax7が担うことが明らかになった。今回得られたゲノムアセンブリーによって、進化、発生、再生を調べる新たな機会が得られるはずである。
2018年2月1日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:再生するプラナリアのゲノム再解読
天文学:白色矮星のコア
材料科学:電子の届く距離
工学:さまざまな様式で移動できるロボット
有機化学:カルビン等価体を合成するための触媒的手法
古気候学:過去の気候を示す保存された花粉
人類学:アフリカを出てアジアへ
発生生物学:頭蓋顔面発生におけるRNAに関連した調節
海洋ウイルス学:海の微生物の消失要因
分子生物学:ミトコンドリアでの翻訳に葉酸が果たす役割