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2021年10月号Volume 18 Number 10
新型コロナウイルスが細胞に侵入する仕組み
感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)。このウイルスは、なぜ、これほどの感染力を持つのか。その理由が明らかになってきた。このウイルスは、感染細胞から出ていく際に既に、インフルエンザウイルスなどの他のエンベロープウイルスよりも一歩進んだ状態にあるのだ。
Editorial
News in Focus
遺伝的変異から閉経時期を予測できるかもしれない
このほど、生殖寿命を支配する要因に関する 手掛かりが得られた。そうした要因を利用すれば、将来、生殖能力を伸ばせる可能性がある。
新たな頭蓋化石は新種として人類の系統樹に加わるか
イスラエル、および中国で発見された骨は、新種の古代人のものかもしれない。
ディープマインド社のAIがヒトのほぼ全てのタンパク質の構造を予測
ニューラルネットワーク「AlphaFold」が、35万種類以上のタンパク質の構造を収録した革新的なデータベースを生成した。
DARPAの模倣組織は成功するか
米国の国防高等研究計画局(DARPA)をまねた科学研究政府組織が次々に作られつつあるが、うまくいくかは不透明だ。
「妊娠させた」雄ラットの研究が中国で倫理的論争に火を付けた
雄と雌のラットをつなぎ合わせる実験の価値に、研究者たちは疑問を投げ掛けている。
Features
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COVIDワクチンと血栓症:これまでに分かったこと
頻度は非常に低いとはいえ、COVIDワクチンの接種後に原因不明の血栓症を発症する人がいる。その機序の解明に、科学者たちは取り組んでいる。
Obituary
追悼:根岸英一
医薬品の合成に不可欠なクロスカップリング反応を開発した有機化学者。
Work
Japanese Author
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眼の水晶体が透明になる仕組みを追い続けて
眼の中で、カメラのレンズのような働きをする水晶体。水晶体を構成する細胞は透明であり、核やミトコンドリアなどの、本来存在するはずの細胞小器官が全て消失している。細胞小器官の消失は、いったいどのような仕組みで起きているのか。この問いへの答えを探し求めてきた水島昇・東京大学教授は、ついにそれを解き明かした。
News & Views
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都市の食料不足を供給の多様化で防ぐ
食料供給の突然の途絶(食料ショック)のリスクが高まっている という懸念が広がっている。食料ショックに対する都市の脆弱性は、そのサプライチェーン(供給連鎖)を多様化することによって減らすことができることが示された。
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SARS-CoV-2変異株と闘うための単一ドメイン抗体
ラクダやラマが産生する抗体には、「ナノボディ」と呼ばれる小さなタンパク質ドメインを用いて標的に結合するものがある。今回、COVID-19の治療において通常の抗体よりも優れた効果を発揮する可能性のあるナノボディを産生する、遺伝子改変マウスが作製された。
カイロウドウケツを通る水の流れ
海綿動物の「カイロウドウケツ」は、美しい骨格構造を持つことで知られる。このほど、高度な数値シミュレーションによって、この骨格構造が、体にかかる抗力を低減させて頑健性を高めるだけでなく、食物粒子や有性生殖での精子の捕獲にも役立っている可能性が示された。
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デザイナー繊維食で腸内微生物を変化させる
食物が腸内微生物にどのような影響を与え、どうヒトの健康を左右するのかが分かれば、的を絞った食物戦略が得られる可能性がある。今回、ある臨床試験が行われ、その目標の実現に向けて一定の前進があった。
Advances
我が州が誇る青カビ
米国イリノイ州がペニシリン産生菌を「州の公式微生物」に選定。
Where I Work
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