2006年12月号Volume 3 Number 12
Editorial
News Features
ローマ帝国時代に建造された大聖堂の秘密
トルコのイスタンブールにある見事なビザンチン建築の大聖堂、ハギアソフィア。このおごそかな建築物は、1500 年近くもの間、数多くの地震が起こる地域で堅固に立ち続けている。そのわけをVirginia Hughes 記者が探った。
ウェブ上によみがえる大科学者の生涯
ダーウィンは現時点で「最新」の偉大な科学者である。ただし、オンライン上にアーカイブが作られたという意味においてだが。こうしたオンライン・アーカイブは我々の歴史理解をどのように変えるのか、Henry Nicholls が取材報告する。
News & Views
社会性昆虫の「設計図」が手に入った
このたびミツバチのゲノム塩基配列が解読された。そこには、高度の社会構造をもつようにミツバチを進化させた重大な生物学的変化が表れている。これでミツバチについては、分子からコロニーまであらゆるレベルの研究が可能となった。
Business News
ナノテクと電気ドリルの「良縁」
米国の新興ナノテクノロジー企業が大きな成功を収めた。しかし、ナノテク分野でこの会社のように一夜のうちに成功するのは容易なことではないようだ。Colin Macilwain が報告する。
Japan News Feature
うつと脳 - 相次ぐ分子異常の発見でくつがえる仮説
日本人の20 人に1 人がかかるといわれるうつ病。患者の脳ではいったい何が起きているのか、最新脳科学で検証する。
News
笑顔の遺伝子?
顔の表情は遺伝する可能性のあることがわかった。
雨は大地を震わせる
大量の雨が降ったときには、地震に気をつけたほうがいいかもしれない。
Special Report
地球を救うのに必要な金額は?
スターン報告書は、地球温暖化がもたらす経済的損失をめぐる議論に決着をつけるものではない。むしろ、議論をヒートアップさせる材料として意義がある。Jim Giles が報告する。
英語でNature
最前線にて(コナジラミの来襲:クリスマス侵攻作戦)
Nature 2006 年10 月26 日号のNews Feature(TheChristmas Invasion)では、クリスマスに目を楽しませてくれる赤い葉をしたポインセチアに、やっかいな害虫であるコナジラミが繁殖していることがあると報告されています。コナジラミが媒介する植物の病気は、農作物に多大な被害を与えます。 ここでは、その記事のコラムに書かれたコナジラミによる被害を受けたメキシコのトマト農家が科学者と手を組んで、DNA 解析技術を使って被害を食い止めようとする試みについて取り上げます。