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エキソンマイクロアレイとファクターグラフを用いた、マウス転写産物のゲノムワイドな解析

Nature Genetics 37, 9 doi: 10.1038/ng1630

最近の哺乳類におけるマイクロアレイ実験は、広範囲にわたる転写を検出し、多数のエキソンを含んだタンパク質をコードする遺伝子が数多く未発見である可能性を示した。この可能性を探るため、我々は37のマウス組織を使い、ポリAで選択した増幅していないRNAサンプルから得られたcDNAを標識して、114万エキソンプローブをもつマイクロアレイ実験を行った。遺伝子の予測に関しては、ファクターグラフのゲノムワイドなスコア化機能を用いるベイズアルゴリズムのGenRateを使って、これらのデータを解析した。エキソンの偽検出率が2.7%という厳しい条件化で、GenRateにより12,145の遺伝子長転写産物を発見し、非常に発現量の高い既知遺伝子10,000の81%でこれらを再確認した。特筆すべきは、GenRateで発見された155,839エキソンのほとんどが既知遺伝子と関連していることがわかったことと、多数のエキソンをもつ遺伝子のほとんどはすでに発見されているということに関して、マイクロアレイにもとづく証拠を本解析が提供できたことである。また、新しいエキソンとなりうるものがGenRateにより多数発見されたが、すでに注釈付けされた遺伝子に新しく転写される領域を‘縫いつける’ことにより、現在のcDNAデータベースがもつ矛盾を解消することができた。

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