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遺伝子調節ネットワーク:機能的な遺伝子調節ネットワークの遺伝学的な再構築
Nature Genetics 39, 5 doi: 10.1038/ng2012
転写因子の結合領域についての網羅的な解析は、転写調節ネットワークの可能性についての1つの見方を与えるものである。しかしながら、転写の調節は、転写因子の結合とは違ったレベルでも起こるものである。今回私たちは、遺伝学的なアプローチを用いて、酵母における転写因子の標的の同定を行った。また、機能的な転写調節ネットワークの再構築を行った。まず、私たちは、出芽酵母において、263の転写因子のそれぞれについての欠損株での転写応答をプロファイルした。次に、私たちは、これらの転写因子間の間接的な転写調節の関係を同定するため、重み付き有向グラフによるモデリングと調節についてのエピスタシスの解析を行った。そして、この知見を利用して、より機能的な転写調節ネットワークを再構築した。プロモーターの結合するモチーフに関する知見が増えること、そして、遺伝子オントロジーによるアノテーションが充実することにより、転写因子の生物学的な機能についての洞察が得られる。