Letter

作物生産量:MATEファミリーの1つの遺伝子がソルガムのアルミニウム耐性に寄与する

Nature Genetics 39, 9 doi: 10.1038/ng2074

作物の生産量は、世界の耕地の最大50%を占める強酸性土壌のアルミニウム毒性によって大幅に低下する。アルミニウム耐性タンパク質の候補には有機酸排出トランスポーターが含まれる。有機酸は根圏でアルミニウムと毒性のない複合体を形成する。本論文では、ポジショナルクローニングにより、ソルガム(Sorghum bicolor)の主要なアルミニウム耐性遺伝子座AltSBの原因遺伝子として、multidrug and toxic compound extrusion(MATE)ファミリーに属し、アルミニウムによって活性化されるクエン酸トランスポーターをコードする遺伝子を同定した。AltSBの調節領域の多型は、対立遺伝子効果に大きく寄与するようであり、耐性遺伝子型では根端でのAltSBの発現を増加させるように機能している。そのうえ、アルミニウムによって誘導されるAltSBの発現は、根のクエン酸分泌を高めることによってアルミニウム耐性の誘導に関連する。これらの知見から、分子育種とバイオテクノロジーによって酸性土壌での育種プログラムに取り入れることができる優良なAltSBハプロタイプを同定できるであろう。その結果、酸性土壌が多い途上国で作物生産量を増加させる一助になりうる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度