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マウスゲノムの進化:実験マウスの亜種起源

Nature Genetics 39, 9 doi: 10.1038/ng2087

実験マウスのゲノムは、異なる亜種起源の領域により構成されているモザイクと考えられている。今回、ゲノム全域に対して100kb間隔の地点の系藤樹を25,400作成して、実験マウスの起源についての高解像度遺伝子地図を作った。実験マウスゲノムの平均92%はMus musculus domesticus起源であり、染色体ごとのゲノムの多様性の分布はランダムではないことがわかった。すなわち、多様性がきわめて低く、自然変異や複雑な形質の研究において変異の少ない部位とみなされる広範な領域と、多様性が非常に高いホットスポットの領域が存在する。またモザイクモデルと異なり、ゲノムの大部分の場所は亜種起原の多様性が中間レベルであることがわかった。また、野生種から由来したいろいろな亜種系統で、亜種間の遺伝子移入がかなりの頻度で起こっていることが示された。このことは、これらの系統が典型的な既知の亜種に他ならないとする進化学に大きな示唆を与える。

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