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Myc:ショウジョウバエのMycにはMaxに依存しない機能がある

Nature Genetics 40, 9 doi: 10.1038/ng.178

Mycタンパク質は強力ながん原遺伝子タンパク質であり、正常な発生過程でも細胞の成長と増殖の促進に重要である。Mycタンパク質はパートナーであるMaxタンパク質と結合することによりその作用が発揮されると考えられ、その活性はMaxとMntとの複合体あるいはMxdファミリータンパク質と強く拮抗している。Myc、Mxd、Mntの生物学的な機能は徹底的に研究されているが、それにひきかえ、in vivoのMaxタンパク質の役割はほとんどわかっていない。この論文ではMax遺伝子の機能喪失型や機能減少型の突然変異をショウジョウバエで作製し、Mycタンパク質に依存した増殖制御に対するMaxタンパク質の影響を調べた。Mycタンパク質の多くの生物学的活性、例えば、endoreplication(初期胚での細胞分裂をともなわない複製)あるいは細胞競合の制御にはMaxタンパク質との結合は必要ないか、あるいは部分的にしか必要でなく、Maxタンパク質と相互作用しない変異型Mycタンパク質でもかなりの生物学的活性が維持されていることがわかった。さらに、Maxタンパク質とは独立にMycタンパク質がRNAポリメラーゼIIIを調節できることがわかり、このことからMycタンパク質の見かけ上の生物学的活性の幾つかを説明できた。これらの研究からMycタンパク質はin vivoでMaxタンパク質とは独立に機能しうることが示され、現行のMaxタンパク質ネットワークを介したモデルは変更を要することが示された。

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