Letter 甲状腺がん:9q22.33と14q13.3のありふれた変異によってヨーロッパ人集団では甲状腺がんにかかりやすくなる 2009年4月1日 Nature Genetics 41, 4 doi: 10.1038/ng.339 甲状腺がんのリスクに寄与する配列変化を探索する目的で、アイスランドの症例192例および対照37,196例において、ゲノムワイド関連研究を行い、次に、ヨーロッパ系の人において、再現性試験を行った。本論文では、9q22.33と14q13.3に位置する2つのありふれた変異が甲状腺がんに関連することを示す。まとめると、最も強い関連は、9q22.33のrs965513(OR=1.75、P=1.7×10−27)と、14q13.3のrs944289(OR=1.37、P=2.0×10−9)に観察された。9q22.33座位に最も近接する遺伝子はFOXE1(TTF2)で、14q13.3座位に位置する遺伝子のなかにNKX2-1(TTF1)がある。両方の変異はともに、乳頭状および濾胞状の甲状腺がんのリスク上昇に寄与する。およそ3.7%の人はこの両方の変異のホモ接合であり、そのような人の甲状腺がんのリスクはこの両方の変異をもたない人のリスクよりも5.7倍高いと推定されている。一般集団の大規模なサンプルセットでの研究では、両方のリスク対立遺伝子は、低濃度の甲状腺刺激ホルモン(TSH)と関連しており、また、9q22.33の対立遺伝子は低濃度のサイロキシン(T4)と高濃度のトリヨードチロニン(T3)に関連している。 Full text PDF 目次へ戻る