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心疾患の候補遺伝子:QTSCD研究において10の座位に存在する多型がQT間隔延長を調整している

Nature Genetics 41, 4 doi: 10.1038/ng.362

心臓の再分極過程の指標となるQT間隔が、長くなったり短くなったりすると、心室性不整脈や心突然死(SCD)にかかりやすくなる。NOS1AP座位のある多型が再分極に影響することがわかっている。5つの集団(ARIC、KORA、SardiNIA、GenNOVA、HNR)をもとにしたコホート研究で、ヨーロッパ系祖先の人(全部で15,842)のゲノムワイドゲノム解析データから、NOS1AP座位の関連を確認するとともに新たに9つの座位を同定した(P<5×10−8)。4つの座位は、単一遺伝子性QT延長症候群の遺伝子KCNQ1KCNH2SCN5AKCNJ2の近傍に位置していることがわかった。別の2つは、電気生理学的な機能の確立しているATP1B1PLN座位に位置していた。また3つは、LITAF座位に近いRNF207座位(NDRG4-GINS3-SETD6-CNOT1座位内)にあった。これらすべては心臓の電気生理学においてこれまで見つかっていないものであった。これらの結果は、同時掲載のQTGENコンソーシアムの報告とともに、心室性不整脈とSCDの新しい候補遺伝子を同定したものである。

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