QT間隔延長は、心電図の心筋の再分極過程を反映しており、心突然死や薬物誘発性不整脈の遺伝性リスク因子である。我々は、QTGENコンソーシアムの一環として、フラミンガム心臓研究、ロッテルダム研究およびCHS(Cardiovascular Health Study)のヨーロッパ系の13,685人における3つのゲノムワイド関連研究のメタ解析を行った。心筋の再分極とメンデル遺伝形式のQT延長症候群に関与することが知られている、NOS1AP、KCNQ1、KCNE1、KCNH2およびSCN5Aの多型にP <5x10−8で関連を観察した。新たな関連が、NDRG4とGINS3近傍の16q21、PLN近傍の6q22、RNF207近傍の1p36、LITAF近傍の16p13およびLIG3とRFFL近傍の17q12の5つの座位に同定された。まとめると、これらの10座位の独立した14の多型がQT間隔の差異の5.4-6.5%を説明している。これらの結果は、同時掲載の論文とともに、心筋の再分極についての理解を深めるとともに、また、心突然死や薬物誘発性不整脈のなりやすさにかかわる候補遺伝子を示唆するものである。