Article 多発性硬化症:ゲノムスキャンのメタ解析と再現性研究により、多発性硬化症の新しい感受性遺伝子座としてCD6、IRF8、TNFRSF1Aが同定された 2009年7月1日 Nature Genetics 41, 7 doi: 10.1038/ng.401 多発性硬化症(MS)患者2,624人と対照7,220人に対して行われたMS感受性に対するゲノムワイド関連解析のメタ解析を行ったので、その結果を報告する。MS患者2,215人と対照2,116人に対して独立に行った再現性研究では、新たなMS感受性遺伝子座、TNFRSF1A(統合P=1.59×10−11)、IRF8(P=3.73×10-9)、CD6(P=3.79×10−9)の検証が行えた。TNFRSF1Aには独立した2つの感受性対立遺伝子がある。rs1800693は、中等度の影響力(オッズ比=1.2)をもつ頻度の高い多型であり、rs4149584は、頻度は低いがより強い影響力(対立遺伝子頻度=0.02、オッズ比=1.6)をもつコード領域の非同義多型である。また、IRF8はI型インターフェロンシグナル伝達で機能する転写因子をコードするが、IRF8の近傍の感受性対立遺伝子は、MS患者においてインターフェロン応答経路遺伝子のmRNA発現が高いことと関連するのを見いだしたので報告する。 Full text PDF 目次へ戻る