Letter

タウオパティー:タウオパティー進行性核上麻痺のリスクに影響
する頻度の高い配列多様体を発見

Nature Genetics 43, 7 doi: 10.1038/ng.859

進行性核上麻痺(PSP)は著明なタウ神経病態を伴う運動性疾患である。異常なタウタンパク質の蓄積を伴う中枢神経疾患はタウオパティー(タウ異常症)と呼ばれ、最も多いのはアルツハイマー病である。タウオパティーの環境因子の1つにはある種のスポーツによる繰り返しの頭部外傷がある。タウオパティーのリスクに寄与する頻度の高い遺伝的多様体をみつけるため、1,114人のPSP患者(症例)、と3,247人の対照のゲノムワイド関連研究を行い(ステージ1)、次のステージとして、ステージ1でP≦10−3を示したSNPについて、1,051例の症例と3,560例の対照を解析した。STX6、EIF2AK3、MOBPでPSPのリスクに関連するこれまで知られていなかった有意のシグナル(P<5×10−8)を見つけた。MAPT内の2つの独立した多型がPSPのリスクに影響することを確認し、そのうちの1つはMAPTの脳での発現に影響していた。関連が示唆された遺伝子は、ゴルジ体-エンドソーム境界面の小胞体膜融合、小胞体ストレス応答、ミエリン構造成分のタンパク質をコードしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度