Letter 統合失調症とエキソーム解析:統合失調症患者でエキソン内の新規の突然 変異率が増加 2011年9月1日 Nature Genetics 43, 9 doi: 10.1038/ng.886 統合失調症は重い精神疾患で認知、行動、感情などを強く侵すものである。統合失調症の広範囲な症状と臨床的な多様性はこの疾患が、これまでの連鎖解析やコピー数変異解析、関連解析で見つかった多くの座位と一致して、複雑な遺伝的病因をもっていることを示唆している。統合失調症の遺伝率はおよそ80%にのぼるが、この遺伝率の多くを説明できる遺伝子はまだ同定されていない。この研究では14人の統合失調症発端者とその両親のエキソームを解析した。8人の発端者で15個の新規の突然変異(DNM)を検出し、これは以前に報告されたDNM率より予想以上に有意に高いものであった。さらに、15個のDNMのうち4個はナンセンス変異であって、これも偶然に起こる予想値をうわまわるものであった。我々の研究はDNMが統合失調症について報告されている遺伝率の一部を説明できるという考えを支持し、一方で、この発病にかかわっている可能性がある遺伝子のリストを提供するものである。 Full text PDF 目次へ戻る