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肝硬変:高密度の詳細なマッピング研究により原発性胆汁性肝硬変の新規感受性座位を同定
Nature Genetics 44, 10 doi: 10.1038/ng.2395
英国の原発性胆汁性肝硬変(PBC)コンソーシアムからのPBC症例2,861例と英国人対照群8,514例において、既知の186の自己免疫リスク座位内に存在する196,524個の配列多様体に関して遺伝子型決定を行った。その結果、PBCと関連する新規の3座位を同定したので(P < 5 × 10−8)、既知の感受性座位の数は25座位に増えた。新規の3座位のうち、最も有意な関連がみられた19p12の配列は、TYK2の低頻度で非同義のSNPであることから、疾患の病因としてさらにJAK-STATやサイトカインのシグナル伝達の関与が示唆される。さらに5座位が、各PBC感受性座位で最も有意な関連がみられる配列多様体と高い連鎖不平衡(LD、r2 > 0.8)にある非同義配列を含んでいた。我々は、この5座位に、複数の独立した高頻度配列多様体、低頻度配列多様体およびまれな配列多様体の関連シグナルを見いだした。Immunochipにタグ付けされた、独立した非HLA(ヒト白血球抗原)のゲノムワイドに有意な関連シグナル26個のうち、15個は、各座位の最も有意な関連がみられる配列多様体と高いLD(r2 > 0.8)にあり、Bリンパ芽球様細胞株で開放型クロマチン領域にあるSNPを含んでいる。この研究は、機能的なゲノムデータと組み合わせた高密度の詳細なマッピングアレイのデータを、機能的な追試のための候補となる原因多様体の同定にどのように使用できるかを示している。