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骨密度:ゲノムワイド関連研究のメタ解析から、56の骨密度座位が同定され、骨折のリスクに
関連する14座位が同定された

Nature Genetics 44, 5 doi: 10.1038/ng.2249

骨密度(BMD)は、骨折リスクの予測因子として最も広く使用されている。我々は、腰椎および大腿骨頚部のBMDについて、これまでで最大規模のメタ解析を行った。この解析には、17のゲノムワイド関連研究と、32,961人のヨーロッパ系ないし東アジア系の人が含まれている。今回、上位にランク付けされたBMD関連マーカーについて、別の50,933人において追試を行い、また、これらのBMD関連マーカーと転倒骨折のリスクとの関連について、骨折歴のある31,016人(症例)および対照102,444人において検討した。我々は、ゲノムワイドな有意水準(P <5×10–8)でBMDに関連する56座位(32座位は新規座位)を同定した。これらの因子のいくつかは、RANK-RANKL-OPG、間葉系幹細胞の分化、軟骨内骨化およびWntシグナル伝達経路内に集中している。しかし、骨生物学に役割を担っていることが知られていない遺伝子に位置する座位も見つかった。また、BMDに関連する14座位は、骨折のリスクにも関連があり(P < 5×10–4、ボンフェローニ補正)、そのうちの6座位はP < 5×10–8に達していた〔18p11.21(FAM210A)、7q21.3(SLC25A13)、11q13.2(LRP5)、4q22.1(MEPE)、2p16.2(SPTBN1)および10q21.1(DKK1)〕。これらの知見から、BMDの多様性および骨折の感受性の基礎となる遺伝学的構造と病態生理学的機構が解明される。

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