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統合失調症:ゲノムワイド関連研究で統合失調症の13の新規リスク座位を同定
Nature Genetics 45, 10 doi: 10.1038/ng.2742
統合失調症は遺伝的な要因を持つ原因不明の精神疾患であり、公衆衛生上の影響力は大きい。我々は統合失調症について、多段階的ゲノムワイド関連研究(GWAS)をスェーデン人の検体(5,001人の症例と6,243人の対照群)に対して行い、次に、以前に行われた統合失調症のGWAS(8,832人の症例と12,067人の対照群)のメタ解析を行い、最後に独立した検体(7,413人の患者と19,762人の対照群、および581組の両親-子供の3人組)について168遺伝子領域のSNPの確認試験を行った。この結果、ゲノムワイドで有意性のある22座位を見つけた。このうち13座位が新規であり、1座位は以前に双極性障害への関与が示唆されたものであった。これらの座位の候補遺伝子の検討では、神経細胞のカルシウムシグナリングの関与が示唆された。我々は8,300の独立した、たいていはありふれたSNP(95%信頼区間6,300~10,200 SNP)が統合失調症に寄与しており、これらは全体として、この疾患へのかかりやすさをもたらす要因の少なくとも32%を説明できると推定している。ありふれた遺伝的変異が統合失調症の病因として重要な役割を果たし、さらなる大規模の研究を行うことにより、より詳細な理解がもたらされるだろう。