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調節配列:PTF1A遠位エンハンサーの劣性遺伝性変異は孤立性膵無形成を引き起こす

Nature Genetics 46, 1 doi: 10.1038/ng.2826

ヒトの疾患に対して、遠位(cis)調節配列の変異がどのような役割を果たしているかについては、解明があまり進んでいない。全ゲノム塩基配列決定によって非コード領域の配列の多様性は残らず同定できるが、この結果から疾患の原因となる調節配列の変異を判別することは、難題である。ヒト胚性幹細胞(hESC)から分化した膵前駆細胞におけるエピゲノムのアノテーションを行い、他症状を伴わない(孤立性)膵無形成患者の全ゲノム配列の解釈を試みた。この解析の結果、膵無形成患者の10家系において、PTF1A(膵特異的転写因子1aをコードする)の25 kb下流に位置する、これまで特性解析されていなかったおよそ400 bpの配列に劣性遺伝性変異6個が存在することが明らかになった。そして、この領域が、PTF1Aの発生過程で機能するエンハンサーであり、変異によりエンハンサー活性が消失することが分かった。これらの変異は、孤立性膵無形成の最も頻度の高い原因である。疾患に関連した細胞型におけるゲノム塩基配列決定とエピゲノムアノテーションを同時に行うことは、ヒトの発生過程および疾患で働く非コード領域配列を明らかにする上で役立つことが示された。

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