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Y染色体欠失:末梢血中の細胞でのY染色体のモザイク喪失は、生存期間短縮とがんリスク上昇に関連する

Nature Genetics 46, 6 doi: 10.1038/ng.2966

性別に左右されないがんでは、発生率と死亡率が女性より男性で高い理由は、ほとんど解明されていない。また、加齢に伴うY染色体欠失(LOY)は正常な造血細胞に見られることが多いが、LOYの表現型に与える結果は明らかになっていない。今回我々は、高齢男性1,153人の解析から、末梢血中の細胞でのLOYが、全死因死亡のリスク〔危険率(HR)=1.91、95%信頼区間(CI)=1.17-3.13、事象数=637〕と非血液がん死亡のリスク(HR=3.62、95%CI=1.56-8.41、事象数=132)に関連することを報告する。このコホートにおいて被験者の少なくとも8.2%にLOYが見られ、また、LOYが見られる男性の生存期間の中央値は5.5年短かった。また、被験者の20.5%にLOYが見られる独立したコホートにおいて、LOYと全死因死亡のリスクの関連が実証された(HR=3.66)。これらの結果は、接合後のモザイクが疾患リスクに与える影響を実証し、女性よりも男性のがん罹患頻度が高い理由を説明でき、また、Y染色体が性決定以外の諸過程においても重要であることを示唆している。血中細胞でのLOYは男性における発がんを予測するバイオマーカーになると考えられる。

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