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自閉スペクトラム症:純化淘汰下の脳発現エキソンでは自閉スペクトラム症のde novo変異が豊富に存在する
Nature Genetics 46, 7 doi: 10.1038/ng.2980
自閉スペクトラム症(ASD)の遺伝学的研究における一般的な取り組みは、DNA配列の特定の変化がASDとして出現するかどうかを決定することである。我々は、異なる対照集団間で、特定のエキソンについて、脳でのエキソン発現レベルおよび稀少ミスセンス変異の負荷の間に逆相関があるという観察を得た。有害であると予測される de novo変異がある遺伝子については、特定の重要なエキソンが、ASDの人では、ASDを伴わない同胞より有意に豊富に発現していることを見いだした〔P < 1.13×10−38、オッズ比(OR)=2.40〕。さらに、脳で高い発現を示すエキソンを持ち、なおかつ稀少変異の負荷が低い遺伝子には、既知のASD関連遺伝子(P < 3.40×10−11、OR=6.08)とASD関連の脆弱Xタンパク質標的(P < 2.91×10−157、OR=9.52)が豊富に含まれることが分かった。我々の結果は、ASDとその関連神経発達疾患の遺伝子型-表現型研究においては、純化淘汰下の脳発現エキソンを優先的に研究すべきであることを示唆している。