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サルデーニャ:ゲノム塩基配列決定によってサルデーニャ島住民の遺伝的構成が明らかになり、脂質および血中炎症マーカーに対する関連解析においてより正しい結果が得られるようになった
Nature Genetics 47, 11 doi: 10.1038/ng.3368
サルデーニャ島住民2,120人の全ゲノム塩基配列決定を行い、判明した約1,760万の遺伝的バリアントについて報告する。このうち22%はこれまでの配列解読で蓄積されてきたデータにも含まれておらず、今回の解析によって初めて、機能予測情報が多数得られた。さらに、今回のサンプルに高頻度(5%以上)で見つかるおよそ76,000のバリアントは、他の研究サンプルでは希少(1000人ゲノムプロジェクトで0.5%以下)であった。また、これらのバリアントと血中脂質濃度や5つの炎症バイオマーカーとの関連を調べた。その結果、脂質濃度に対する関連を示す14のシグナル(2つの重要な新規座位を含む)と、19の炎症マーカー関連シグナル(2つの新規座位を含む)を検出した。今回明らかになった新たな関連は、1000人ゲノムプロジェクトのデータを利用した解析では見つからなかったと考えられる。このことは、今回の創始者集団を対象とした大規模塩基配列決定の成果を裏付けている。