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自己免疫疾患:HLA遺伝子領域内の広範な非相加的効果および相互作用効果が自己免疫疾患のリスクを調節する
Nature Genetics 47, 9 doi: 10.1038/ng.3379
ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子は、自己免疫疾患のかなりのリスクに相加的に寄与する。今回我々は、ヘテロ接合体が発現する2つの異なったHLAバリアント間での自己抗原結合レパートリーの差異が、リスクに非相加的効果を与える可能性があると推測した。そこで5つの一般的な自己免疫疾患〔関節リウマチ(ncases=5,337)、1型糖尿病(T1D、ncases=5,567)、尋常性乾癬(ncases=3,089)、特発性アカラシア(ncases=727)、セリアック病(ncases=11,115)〕について、患者群と対応した対照群において古典的HLA遺伝子アレルの疾患への非相加的寄与について検討した。この5つの疾患のうち4つにおいて、極めて有意な非相加的優性効果が観察された(関節リウマチP=2.5 × 10−12、T1D P=2.4 × 10−10、乾癬P=5.9 × 10−6、セリアック病P=1.2 × 10−87)。このうちの3つの疾患においては、この非相加的優性効果は特定の古典的HLA遺伝子アレル間の相互作用によって説明された(関節リウマチP=1.8 × 10−3、T1D P=8.6 × 10−27、セリアック病P=6.0 × 10−100)。これらの相互作用は、一般的に疾患のリスクを増加させ、また、表現型の分散における中程度ではあるが有意な割合を 相加的モデルに追加する 形で説明した(関節リウマチ1.4%、T1D 4.0%,セリアック病4.1%)。