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トランスクリプトーム:大規模なトランスクリプトームワイド関連研究の統合的アプローチ

Nature Genetics 48, 3 doi: 10.1038/ng.3506

多くの遺伝子バリアントが遺伝子発現を調節することによって複雑な形質に影響しており、1つあるいは複数のタンパク質の存在量を変化させている。今回、我々はシス制御される発現が複雑な形質に関連するような遺伝子を同定するために大規模ゲノムワイド関連研究(GWAS)からの遺伝子発現測定と要約関連統計量とを統合する強力な戦略を紹介する。我々は有意な発現-形質の関連を同定するトランスクリプトームワイド関連研究(TWAS)を行うため、遺伝学的なデータからの発現データの補完を利活用した。そして、本アプローチを約3,000人で測定した血液と脂肪組織から得た発現データに適用した。我々は肥満関連形質(BMI、脂質、身長)に有意に関連する69の新規遺伝子を同定するべく、90万を超える表現型測定から得た遺伝子発現をGWASデータに帰属させた。これらの遺伝子の多くはHybrid Mouse Diversity Panel中の表現型に関連する。我々の解析法は、複雑な形質の遺伝学的な基礎についての手掛かりを得るための遺伝子型、遺伝子発現および表現型を統合する高い能力を備えていることが、今回の研究結果から明らかである。

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