Analysis
Y染色体:世界中から集められた1,244人のY染色体の塩基配列から推測されるヒト男性の人口統計学における段階的な激増
Nature Genetics 48, 6 doi: 10.1038/ng.3559
1000ゲノムプロジェクトと通じて、世界の26集団からランダムに集めた1,244人のヒトY染色体の塩基配列について報告する。一塩基バリアント、MNV(mutiple-nucleotide variant)、挿入や欠失、短い縦列反復配列、コピー数バリアントを含む、65,000以上のバリアントが見つかった。これらの中では、コピー数バリアントが機能的に最も大きな影響を及ぼすことが予測された。1つの位置に2種類存在する一塩基バリアントを基盤として、較正を行った系統樹を構築し、それにさらに複雑なバリアントを加えていくことで、各種の変異の数を見積もった。我々の系統解析から、男性の数には急激な増加が何度か見られ、それは移動や技術革新が起こったことが知られている時期に起こり、今回調べた大陸に基づく5つの大集団のそれぞれで独立に起こっていることが分かった。