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免疫:中国人集団でのMHC領域の詳細な塩基配列決定は複雑疾患の研究に寄与する
Nature Genetics 48, 7 doi: 10.1038/ng.3576
ヒト主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域は、多数の疾患に関連していることが示されている。しかし、この領域は非常に複雑であるため、これらの関連の原因バリアントを正確に示すことは難しい。そこで我々は、漢民族MHC(Han-MHC)データベースを構築したので、ここに報告する。中国漢民族系の20,635人(対照10,689人および乾癬患者9,946人)に対して5 MbのMHC領域全体の塩基配列を決定し、バリアントとHLA遺伝子タイピングの両方について高精度で判定した結果をこのデータベースに収めた。さらにHLA-C、HLA-B、HLA-DPB1およびBTNL2の複数の独立した新しい感受性座位と、遺伝子間バリアントrs118179173が乾癬に関連することを明らかにし、確立されているリスク対立遺伝子HLA-C*06:02を確認した。我々は、大規模な試料の詳細な塩基配列決定により構築されたこのHan-MHC参照パネルが、さまざまな疾患においてMHC領域の役割を調べるための有用なツールになり、従って、これらの疾患の発症機序の理解を深めると期待している。