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肥満:CREBRFの倹約バリアントはサモア人のボディマス指数に大きく影響する

Nature Genetics 48, 9 doi: 10.1038/ng.3620

サモア人は特異な創始者集団であり、かつ肥満の有病率が高い。そのため、肥満に関係する新たな遺伝的因子の特定に適している。サモア人3,072人を対象にゲノムワイド関連研究(GWAS)を行ってボディマス指数(BMI)に強い関連を示すバリアント(rs12513649、P=5.3×10−14)を検出し、別のサモア人2,102人の解析により、関連の再現性を確認した(P=1.2×10−9)。さらに標的塩基配列決定を行い、BMIに強く関連するミスセンスバリアント(rs373863828、p.Arg457Gln)をCREBRFに同定した(メタ解析でのP=1.4×10−20)。このバリアントはサモア人以外の集団においては極めてまれであるが、サモア人ではよく見られる(出現頻度は0.259)。そしてその効果量は、BMIリスクに関連する他のいかなる高頻度バリアントよりはるかに大きい(リスク対立遺伝子1コピーあたり、BMI値が1.36–1.45 kg/m2上昇)。マウスの脂肪細胞モデルにおいてArg457Glnを過剰発現すると、野生型CREBRFに比べて、エネルギー消費の減少と脂肪蓄積の増加が特異的に観察された。今回の研究結果は、p.Arg457Glnをコードしている対立遺伝子が正の選択を経ている証拠とともに、ヒトの肥満の一因としての「倹約」バリアント仮説を支持するものである。

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