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筋萎縮性側索硬化症:ゲノムワイド関連研究から筋萎縮性側索硬化症の新しいリスクバリアントと遺伝学的構造が明らかになる
Nature Genetics 48, 9 doi: 10.1038/ng.3622
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の遺伝学的構造を解明し、疾患関連座位を見つけるために、ALS患者およびそれに対応する対照者(n=1,861)の全ゲノム塩基配列を用いて、インピュテーション用のカスタム参照パネルを組み立てた。症例12,577例と対照23,475例において、インピュテーション解析および混合モデル関連解析を行い、さらに独立した追試コホートの症例2,579例と対照2,767例において追試を行うことで、第21染色体の新しいリスク座位を詳細に位置決定し、ALSリスクに関連する新しい遺伝子としてC21orf2を同定した。さらに、新しいリスク関連座位としてMOBPおよびSCFD1を見つけた。我々は、ALSが多遺伝子構造を持つ複雑な遺伝形質である証拠を確立した。また、SNPをもとにした遺伝率を8.5%と見積もり、低頻度バリアント(頻度1~10%)がそれぞれ重要な役割を持つことが示された。この研究は、ALSリスクの根拠となる希少な原因バリアントを明らかにするために、完全なゲノムカバー率の大規模試料を調べることの重要性を示している。