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メチローム解析:FOXA1によるDNA修復因子の核での形成が、DNA脱メチル化を転写のパイオニア因子としての機能に結びつける

Nature Genetics 48, 9 doi: 10.1038/ng.3635

FOXA1はエピジェネティックな再プログラム化において機能し、転写における「パイオニア因子」とされている。しかし、FOXA1がこうした驚くべき生物学的機能をどのように達成しているのか、その正確な仕組みについては十分理解されてはいない。本論文では、ヒト細胞においてFOXA1がDNA修復複合体に結合し、DNAポリメラーゼβ(POLB)のゲノムターゲティングに必要であることを報告する。ゲノムワイドなDNAメチロームから、FOXA1 DNA修復複合体は、細胞系譜特異的な形でDNA脱メチル化に機能的に結びついていることが明らかになった。FOXA1を除去すると、FOXA1結合領域の大半でメチル化の局所的な再確立が引き起こされ、また、持続的な過剰メチル化が起こる領域では、POLBの最も大きな消失が見られ、そこはまた、活性なプロモーターやエンハンサーの領域であった。これと一致して、FOXA1の過剰発現は、その結合部位に対して、POLB依存的に活発にDNA脱メチル化をもたらした。さらに、FOXA1関連のDNA脱メチル化は、エストロゲン受容体のゲノムターゲティングやエストロゲン応答性に密に結びついていた。これらの結果は、FOXA1関連DNA脱メチル化が、FOXA1の転写におけるパイオニア因子としての機能に結びつくことを示している。

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