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Polycombタンパク質複合体:シロイヌナズナのPolycomb抑制複合体2によるエピジェネティックサイレンシングに働くシスおよびトランス作用因子

Nature Genetics 49, 10 doi: 10.1038/ng.3937

植物において、Polycombタンパク質複合体による遺伝子サイレンシングが阻害されると、ホメオティック形質転換および発生期の同調異常が引き起こされる。本研究では、Polycomb応答配列(PRE)として知られる短いゲノム配列の機能が、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)において、サイレンシングという制御を受ける発生遺伝子にPolycomb抑制複合体2(PRC2)を配置させることであることを明らかにしたので報告する。また、in vivoでのPRC2を介する遺伝子サイレンシングに必要な転写因子ファミリーを同定した。クロマチン上でPRC2と共局在するこれらの転写因子は、PREに結合し、PRC2と物理的に相互作用してこれをリクルートする。PREに偏在するシス配列モチーフのうち2つが、同定された転写因子の認識結合部位であり、PREの働きに必要かつ十分である。以上のように、シロイヌナズナにおけるPRC2のリクルートは、トランス作用因子のシス局所DNA配列モチーフへの結合に主に依存している。

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