非反復配列：参照ゲノム中に見つからないヒトの非反復配列の多様性

ゲノムには通常、参照ゲノムには見られず、集団サブセット中にのみに現れる非反復配列が含まれる。このような参照ゲノムに含まれない非反復（NRNR）配列は、その特徴や下流の解析がほとんど未調査のままとなっている。今回我々はアイスランド人15,219人の全ゲノム配列データに対してPopInsというプログラムを適用して得たブレークポイントを基準にしたNRNR配列バリアント3,791個について記述する。我々は200 bp以上の長さのNRNR配列244個のうちの95%以上はチンパンジーに存在していることを見いだし、このことから、これらが祖先から受け継がれた配列であることを明らかにした。さらに149個のバリアント座位は、ゲノムワイド関連研究（GWAS）カタログマーカーと連鎖不平衡にあり（r²>0.8）、疾患に関連していることを示唆している。加えて、766 bpの長さのあるNRNR配列バリアントが、心筋梗塞（23,360症例、300,771の対照）と関連すること〔P=3.8×10⁻⁸、オッズ比（OR）=0.92〕を報告する。我々の結果は、疾患関連バリアントを探索する際には、全ての複雑性レベルでゲノムの多様性をとらえることの重要性を強調している。