Analysis
環境要因:560の表現型に対する遺伝要因と環境要因の寄与の大規模健康保険レセプト情報を用いた推定
Nature Genetics 51, 2 doi: 10.1038/s41588-018-0313-7
米国在住の4485万9462人に含まれる5万6396組の双生児ペアと72万4513組の同胞ペアを対象に、健康保険の大規模データセットを解析することにより、560の疾患関連表現型に対する遺伝要因と環境要因の寄与を評価した。各表現型について環境リスク因子〔社会経済的地位(SES)、大気汚染、気候〕の寄与を推定した。平均遺伝率(h2 = 0.311)と平均共有環境分散(c2 = 0.088)は、個別の環境要因に帰せられる分散、例えば居住地(郵便番号)に基づくSESの分散(varSES = 0.002)、大気質指数の分散(varAQI = 0.0004)、平均気温の分散(vartemp = 0.001)などと比較して、全般的にも個々の表現型についても大きかった。遺伝率と共有環境分散が非常に大きかったのは、併存疾患の数(h2 = 0.433、c2 = 0.241)と平均月額医療費(h2=0.290、c2=0.302)であった。全ての結果は我々が開発したウェブアプリケーション、Claims Analysis of Twin Correlation and Heritability(CaTCH)を使用して入手可能である。