Technical Report

低カバー率塩基配列決定法:大規模なリファレンスパネルを用いた低カバー率塩基配列決定データの効率的なフェージングとインピュテーション

Nature Genetics 53, 1 doi: 10.1038/s41588-020-00756-0

低カバー率の全ゲノム塩基配列決定法とそれに続くインピュテーションは、疾患や集団の遺伝学研究のための費用対効果の優れた遺伝子型判定手法として提案されてきた。しかし、現在のインピュテーション手法は、計算コストが高く、大規模なリファレンスパネルに対して活用することができないため、SNPアレイに対する競争力が損なわれている。今回我々は、最新のリファレンスパネルから得た低カバー率塩基配列決定データセットのフェージンズとインピュテーションを行う手法であるGLIMPSEについて説明する。我々は、GLIMPSEが、さまざまなカバー率とヒト集団にわたって目覚ましい性能を発揮することを実証した。GLIMPSEは、1ドル未満の計算コストでのゲノムのインピュテーションを実現し、他の手法に比べて卓越した性能を示し、全ての対立遺伝子頻度範囲でインピュテーションの精度を向上させた。概念実証として我々は、1倍のカバー率が効率的な遺伝子発現関連研究を可能にし、稀少バリアント変異量テストにおいて高密度SNPアレイよりも優れていることを示す。まとめると、本研究は低カバー率のインピュテーションが有望である可能性を示しており、将来のゲノム研究の設計についてのパラダイムシフトを示唆している。

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