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転写制御:CTCFは局所的クロマチンドメインを形成して、発現量と塩基配列状況に依存した転写インシュレーションを仲介する
Nature Genetics 53, 7 doi: 10.1038/s41588-021-00863-6
インシュレーターは、動物における時間的・空間的な遺伝子調節で重要な役割を果たしている。進化的に保存されたCCCTC結合因子(CTCF)は、哺乳類でインシュレーター機能に必要とされるが、その結合部位の全てがインシュレーターとして働いているわけではない。今回我々は、マウス胚性幹細胞で高感度のインシュレーターレポーターを用いて、CTCFを介した転写インシュレーションに必要とされる塩基配列の条件を調べた。その結果、インシュレーションの効果は、縦列に存在するCTCF結合部位の数に依存することが明らかになった。また、CTCFを介したインシュレーションは、その結合部位の上流にある隣接塩基配列に依存する。TAD(トポロジカルドメイン)境界でのCTCF結合部位は、結合強度とは無関係に、TAD境界の外側にある結合部位よりも、インシュレーターとして機能する可能性が高い。我々は、インシュレーターが局所的なクロマチンドメイン境界を形成し、エンハンサーとプロモーターの接触を弱めることを実証する。まとめると、我々の結果は、哺乳類ゲノムにおいてクロマチントポロジーとインシュレーターの作用を結び付ける遺伝学的証拠、分子的証拠、構造的証拠を示している。