ポリアデニル化：複雑形質と疾患の遺伝率に関与する選択的ポリアデニル化の量的形質座位のアトラス

ゲノムワイド関連解析により、ヒトの形質や疾患に関連する数千の非コードバリアントが見つかっている。しかし、これらのバリアントの機能の解釈は大きな課題である。本論文では、467人の参加者［遺伝型-組織発現（GTEx）プロジェクト］から単離された46組織において、標的遺伝子の選択的ポリアデニル化（APA）に関連する約40万のありふれた遺伝的バリアントを特定することで、ヒト3′UTRのAPA量的形質座位（3′aQTL）についての多組織アトラスを構築した。原理的に、3′aQTLは、ポリ（A）モチーフ、RNAの二次構造、RNA結合タンパク質の結合部位を変化させ得るので、数千のAPAの変化につながり得る。我々のCRISPRによる実験から、このような3′aQTLがAPA調節を変化させられることが分かった。さらに、3′aQTLのマッピングによって、LARP4（La-related protein 4）などのAPA調節因子を特定できることが実証された。また、3′aQTLは、形質関連バリアントの約16.1％と共局在し、これは、発現QTLなど、他のQTLとは大きく異なっていた。総合的に我々の知見から、3′aQTLはヒトの複雑な形質と疾患の原因となる分子機構に大きく関与していることが示された。