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ミトコンドリア:英国バイオバンクにおけるミトコンドリアDNA遺伝型と表現型の関連アトラス

Nature Genetics 53, 7 doi: 10.1038/s41588-021-00868-1

ありふれた疾患におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)の多様性については、遺伝型判定や品質管理の手法が確立されていないこともあり、十分な研究が行われていない。我々は、mtDNAバリアントを解析するための大規模なワークフローを開発することで、グレートブリテン島の複数の亜集団を対象に核とミトコンドリアのゲノム構造の相関関係を示すとともに、英国バイオバンクにおけるmtDNAバリアントと表現型の関連に関する参照アトラスを構築した。mtDNAバリアントと表現型の関連のうち、260は新規に特定されたものであった(P < 1 × 10−5)。例えば、rs2853822/m.8655 C>T(MT-ATP6)と2型糖尿病の関連、rs878966690/m.13117 A>G(MT-ND5)と多発性硬化症の関連、6つのmtDNAバリアントと成人身長の関連、24のmtDNAバリアントと2種類の肝バイオマーカーの関連、16のmtDNAバリアントと腎機能パラメーターの関連などである。レアバリアントに関する遺伝子ベースの解析では、複合体をコードする遺伝子群が平均赤血球容積と平均赤血球ヘモグロビン量に影響を及ぼすことが示唆された。7つの形質ではmtDNAのレアバリアントとありふれたバリアントの両方が関連を有しており、ありふれたバリアントと比較してレアバリアントの効果が大きい傾向があった。本研究は、mtDNAバリアントがありふれた複雑疾患に及ぼす効果を調査することの価値を実証しており、今後の大規模なmtDNA関連解析の基礎となるものである。

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