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関節リウマチ:複数祖先系集団のゲノムワイド関連解析で見つかった関節リウマチの新規の遺伝的機構

Nature Genetics 54, 11 doi: 10.1038/s41588-022-01213-w

関節リウマチ(RA)は遺伝性の高い複雑な疾患であり、その病因はよく分かっていない。複数祖先系集団でのRAの遺伝学研究は、遺伝的シグナル検出能力やファインマッピング解像度、多遺伝子リスクスコア(PRS)の性能を向上させるのに有望である。今回我々は、5つの祖先系グループをもつ27万6020件のサンプルを用いた、RAの大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)について報告する。我々は複数祖先系集団のメタ解析を行い、124の座位(P < 5 ×10−8)を特定し、そのうちの34座位は新規だった。新規座位の候補遺伝子からは、RAの病因における免疫系(例えばTNIP2TNFRSF11A)と関節組織(例えばWISP1)の必須の役割が示唆された。複数祖先系集団のファインマッピングからは、生物学的根拠を持つ原因バリアント候補が見つかった(例えばLEF1)。さらに、複数祖先系集団GWASに基づくPRSは、1つの祖先系集団GWASに基づくPRSよりも優れており、ヨーロッパ系集団と東アジア系集団の間で同等の成績を示した。我々の研究は、RAの病因について複数の手掛かりを示し、RAの遺伝的予測性能を向上させている。

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