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免疫関連疾患:調節性表現型での遺伝的関連が12の免疫関連疾患の原因バリアントの精細マッピングを改善する
Nature Genetics 54, 3 doi: 10.1038/s41588-022-01025-y
原因となる遺伝的バリアントの解明は、疾患の生物学的性質の理解に役立つ。本論文では、BLUEPRINT、GTEx、eQTLGenのプロジェクトで得られた調節性の量的形質座位(QTL)を用いて、12の免疫関連疾患に関する推定原因バリアントの精細マッピングを行った。その結果、調節性QTLと高い事後確率(≥ 98%)で共局在する340の固有の座位が見つかり、ベイズの枠組みを適用することで各座位において関連を精細にマッピングすることができた。調節性QTLから導かれる精細マッピングされた信頼できるセットは、疾患の要約統計量を用いた信頼できるセットよりも小さいことが分かった。さらに、それらには、より機能的に解釈可能な原因バリアント候補や、原因と推定される挿入/欠失(INDEL)多型が豊富に含まれていた。また、大量並行レポーターアッセイを用いて、炎症性腸疾患に関連するITGA4座位の原因バリアント候補の評価を行った。総合的に我々の知見から、疾患と共局在する調節性QTLを用いて精細マッピングを行うと、疾患の原因バリアント候補の発見が向上し、原因となる遺伝子や分子機構についての理解が促進されることが示唆された。