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体細胞モザイク:血中のモザイク状染色体変化が示す変異率および適応度への影響

Nature Genetics 55, 10 doi: 10.1038/s41588-023-01490-z

体細胞の染色体変化がモザイク状に存在すること(mCA)はがんでよく見られるが、診断の何十年も前に生じる可能性がある。これらの事象が生じる速度とその機能的影響を定量的に把握すれば、がんのリスク予測や体細胞進化についての理解が進む可能性がある。今回我々は、英国バイオバンク参加者のおよそ50万人の血液から得たmCAのクローンサイズを推定し、それを用いてmCAの後天的な獲得、喪失、およびコピー数変化を伴わないヘテロ接合性の消失事象について、変異率と適応度への影響を推定した。ほとんどのmCAは適応度に中程度から高度の影響を示すが、生じる速度は低く、同等の適応度を持つ一塩基バリアントの10分の1以下の頻度だった。特筆すべき例外はX染色体とY染色体のモザイク喪失であり、常染色体のmCAよりも変異率が約千倍高いと推定された。ほとんどのmCA保有率が加齢に伴って増加する仕組みは、増殖率は一定であるとう仮定と整合性示すが、一部のmCAは異なる挙動を示すことから、それらの適応度は受け継いだバリアントや外的要因、適応度効果の分布に依存している可能性が示唆される。

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