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電子健康記録:英国バイオバンクにおける併存疾患の年齢依存的トピックモデリングから遺伝的リスクが異なる疾患サブタイプが明らかになる

Nature Genetics 55, 11 doi: 10.1038/s41588-023-01522-8

長期的な電子健康記録(EHR)データの解析は、臨床診断を改善したり、個別化医療実現したりできる可能があるので、患者の併存疾患情報から疾患サブタイプを特定する取り組みを進める動機となっている。本論文では、大規模なEHRデータセットにおける何百種類もの疾患の長期的記録の低ランク表現を提供する、年齢依存的トピックモデリング(ATM)法を紹介する。英国バイオバンクの28万2957の試料にATMを適用し、不均一な併存疾患プロファイルを持つ52疾患を特定した。またAll of Usの21万1908の試料を解析し、一致する結果を得た。この不均一な52疾患について、併存疾患プロファイルに基づき疾患サブタイプを定義し、また、多遺伝子リスクスコア(PRS)を用いて疾患サブタイプ間の遺伝的リスクを比較して、PRSが同一疾患の他のサブタイプと有意に異なる18の疾患サブタイプを特定した。さらに、疾患に関連する特定の遺伝的バリアントが疾患リスクにサブタイプ依存的な影響を及ぼすことが明らかになった。結論として、ATMは、ゲノムワイドおよび座位特異的な遺伝的リスクプロファイルを持つ疾患サブタイプを特定できることが分かった。

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