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3Dゲノミクス:エンハンサー–プロモーター間の接触形成はRNAPIIを必要とし、ループ押し出しに拮抗する
Nature Genetics 55, 5 doi: 10.1038/s41588-023-01364-4
同型クロマチンの相互作用とループの押し出しは、哺乳類のクロマチン折りたたみを駆動する2つの主要な因子だと考えられている。本研究では、オーキシンによるRNAポリメラーゼII(RNAPII)の急速な分解が可能な細胞系において、さまざまなスケールの間期クロマチン構造に対するRNAPIIの役割を調べた。Micro-Cと計算モデル化を組み合わせることによって、RNAPII枯渇に対して異なる増減を示すループ群の特徴が明らかになった。増加したループは、ほとんどの場合、新規またはつなぎ直されたCTCFアンカーの働きにより形成されるが、このループ押し出しではRNAPIIが拮抗している。一方、減少したループは、RNAPIIアンカーによるエンハンサー–プロモーター間の接触に選択的に影響を及ぼし、ほとんどの遺伝子の抑制を説明する。意外にも、プロモーター間の相互作用は基本的にポリメラーゼ枯渇の影響を受けず、コヒーシン占有率は維持されていた。まとめると、本研究の知見は、RNAPIIの転写における役割と、ゲノム全域の調節性三次元クロマチン接触の仕組みに直接関与する役割に折り合いをつけると同時に、コヒーシンのループ押し出しに対する影響をも明らかにしている。