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心血管疾患:退役軍人100万人プログラムにおける胸部大動脈瘤と胸部大動脈解離のゲノムワイド関連解析
Nature Genetics 55, 7 doi: 10.1038/s41588-023-01420-z
胸部大動脈瘤・解離(TAAD)の遺伝的決定因子についてのこれまでの理解は、主にまれなメンデル型疾患の研究から得られた情報に基づく。本研究では、米国の退役軍人100万人プログラムの参加者(TAAD患者8626人とTAADのない人45万3043人)から得た約2500万のDNA塩基配列バリアントを用いて、TAADのゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。その結果は、6つのコホート由来の独立した試料(TAAD患者4459人とTAADのない人51万2463人)で再現性を確認した。21のTAADリスク座位が見つかり、そのうち17はこれまでに報告されていないものだった。我々は下流解析のための複数の方法を用いて、原因となるTAADリスク遺伝子と細胞タイプを特定し、さらに、TAADが非アテローム性動脈疾患であり、他の形態の血管疾患とは異なることをヒト遺伝学に基づく証拠によって示す。我々の結果は、TAADの遺伝的構造は他の複雑形質と類似しており、タンパク質を変化させる効果量の大きなバリアントのみを介して遺伝されるのではないことを明らかにしている。