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海馬:海馬および海馬亜領域の体積の祖先系集団横断的ゲノムワイド関連メタ解析
Nature Genetics 55, 7 doi: 10.1038/s41588-023-01425-8
海馬は記憶、認知、神経精神疾患に重要な役割を果たしており、亜領域ごとに構造と機能が異なる。海馬および海馬亜領域の体積に関するゲノムワイド関連解析は、主にヨーロッパ系の集団で実施されており、それ以外の祖先系集団については十分に調べられていない。本研究では、海馬体積に関して6万5791人を対象に、また海馬亜領域体積に関しては3万8977人を対象に、祖先系集団横断的ゲノムワイド関連メタ解析を実施した。その中に東アジア系集団は7009人含まれている。44の海馬形質について、P < 1.13 × 10−9で339のバリアント–形質間の関連が特定され、うち23は新規な関連であった。ありふれた遺伝的バリアントが海馬形質に及ぼす効果は祖先系集団間で類似しているが、祖先系集団特異的な関連も存在する。祖先系集団横断的な解析は、ファインマッピングの精度、および少数派集団に対する多遺伝子スコアの予測性能を向上させる。検出された遺伝的バリアントはWntシグナル伝達経路とニューロン分化に関連する遺伝子に集中しており、認知、情動、神経精神疾患に影響を及ぼす。これらの発見から、海馬および海馬亜領域の体積に関する遺伝的構造の知見が得られるだろう。