腫瘍予測：骨髄系腫瘍リスクのマルチパラメーター予測

骨髄系腫瘍（NM）には、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍が含まれる。ほとんどの症例は、クローン性造血（CH）の共通祖先から生じる。今回我々は、英国バイオバンクの参加者45万4340人のデータを解析した。そのうち、1808人が募集後0〜15年後に骨髄系腫瘍を発症した。後に骨髄系腫瘍を発症した群（pre-MN）と対照群の間に見られるCHの変異の全体像と血液学・生化学検査パラメーターの違いを記載したところ、診断の数年前に検出可能な疾患特異的な変化が見つかった。そこで、「pre-MN」と対照群の間の違いを解析することで、骨髄系腫瘍の各サブタイプへのプログレッションが起こるリスクを定量化するCox回帰モデルを開発し検証した。我々はまた、基本的な血液検査と遺伝的データの入力から時間依存的な予測を生成するウェブアプリケーション「MN-predict」を構築した。我々の研究は、骨髄系腫瘍を発症する多くの人を、何年も前に特定できることを実証し、研究者や医師にとって非常に有用となる疾患特異的な予後予測に対する枠組みを提供する。