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パーキンソン病:パーキンソン病の複数祖先系集団ゲノムワイド関連解析のメタ解析
Nature Genetics 56, 1 doi: 10.1038/s41588-023-01584-8
ゲノムワイド関連解析によりパーキンソン病の90以上の独立したリスクバリアントが特定されているが、ほとんどの研究は1つの集団だけを対象に行われてきた。本研究では、ヨーロッパ系、東アジア系、ラテンアメリカ系、アフリカ系を含む患者の症例4万9049例、プロキシ症例1万8785例、対照245万8063人を対象として、パーキンソン病の大規模な複数祖先系集団メタ解析を実施した。メタ解析では、可能性のある12の新規座位(MTF2、PIK3CA、ADD1、SYBU、IRS2、USP8、PIGL、FASN、MYLK2、USP25、EP300、PPP6R2)を含む78の独立したゲノム規模レベルで有意な座位が見つかり、また、ファインマッピングによって6つの既知のパーキンソン病座位における6つの推定原因バリアントが明らかになった。公開されているeQTLデータと我々の結果を組み合わせることにより、これらの新規座位の中で、発現がパーキンソン病のリスクと関連している25の推定リスク遺伝子を特定した。本研究は、非ヨーロッパ系集団におけるパーキンソン病座位の特定を目指す今後の取り組みの指針となるものである。