Technical Report
関連解析:対照試料となる3万9472エキソームを含む公開プラットフォームにより遺伝子型のデータ共有なしに関連解析ができる
Nature Genetics 56, 2 doi: 10.1038/s41588-023-01637-y
症例試料に対応する対照試料としての十分な検出力を備えたコホートを獲得することは、時間を要し、場合によっては不可能なことがある。従って、既に他の場所で収集された対照試料の遺伝学的データを活用できれば、遺伝学的関連解析の検出力が劇的に向上する可能性がある。ヒトの遺伝学的データのほとんどは厳格なデータ共有規制の対象であるため、対照試料のデータ共有は大きな困難を伴うと予想される。本論文では、特異値分解とサブサンプリング・アルゴリズムの特性を用いて、個人データ保護に準拠した外部試料プールにおいて最も対応する対照群を選択できる方法を開発し、遺伝子型を共有する必要性を排除した。我々は、http://dnascore.netにおいて、3万9472のエキソーム塩基配列解読からなる対照試料ライブラリーへのアクセスを提供しており、これを用いて対照被験者が欠如している症例コホートの関連解析が可能である。この手法を用いると、事前に指定した精度で、対応する対照試料セットをこのオンラインライブラリーから選択でき、まれなバリアントとありふれたバリアントの両方について適切に調整された関連解析を確実に行うことができる。