Letter インジェクションシーディングによる18.9 nmおよび13.9 nmの位相コヒーレントな卓上型軟X線レーザー 2008年2月1日 Nature Photonics 2, 2 doi: 10.1038/nphoton.2007.280 <p>科学的用途や測定用途向けに高強度コヒーレント軟X線ビームを発生させることが強い関心の的になっている。今回我々は、20 nmより短い波長で動作し、特に極紫外線リソグラフィーによるコンピューターチップの製造に重要な13 nmスペクトル域内で動作する本質的に時間的かつ空間的に完全にコヒーレントな軟X線レーザーを実証したことを報告する。ニッケル様モリブデンの18.9 nmの遷移と銀イオンの13.9 nmの遷移における高調波シードパルスを増幅することによって、レーザーによって生成した高密度プラズマ中に利得飽和パルスを発生させた。この結果は、自由電子レーザーの時間的コヒーレンスの改善にも適用できるインジェクションシーディング法で得られたものであり、高輝度位相コヒーレント・レーザービームを発生する我々の能力が著しく短い波長にまで拡張された。しかも、この実験は実用的な卓上型レーザーを用いて行われたものである。この小型軟X線レーザーによって、規模の小さい研究室環境における高分解能コヒーレントイメージングや原子・分子系の位相コヒーレントプロービングなどの新たな科学的機会が得られる。</p> Full text PDF 目次へ戻る